善通寺五岳縦走
5月3日(月祝) 天気晴時々曇 メンバー2人
親父の足のリハビリのため、出釈迦寺奥の院の断崖を見学がてら、善通寺の『五岳縦走』に出かける。
五岳とは、善通寺から鳥坂にかけて連なる五峰のことで、R11やら高松自動車道やらを走っていると、善通寺ICを越えたあたりから南にボコンポコンという感じで見えるが、明らかに45°は越えてそうな稜線で、素人が登るには縁のない山だとクルマで走るたびに思っていた。実際は無論そんなことはない。
山ひとつ登るだけなら飯野山あたりで充分だが、五岳まとめて制覇というのに惹かれたものである。どうして今までそういう話を聞かなかったのか? というと、やっぱり歩くには不便なロケーションだからかもしれない。
特に、西端の鳥坂(とっさか)のアクセスがよくない。JRみの駅まで2~3km歩いてぐるっと回って戻るか、歩いて善通寺まで戻るかしなければならない(路線バスもなくなった?)。縦走コース自体は10kmないので、そのまま往復するという荒技もアリかもしれない!?
第1区: 香色山~捨身ヶ嶽禅定
香色山は善通寺の駐車場を挟んだ向かいにあって、山を1周する形でミニ八十八箇所のコースができている。今回は山頂に向かって進む。
序盤で、五岳中最も低いということもあって、まず楽勝で香色山を制覇。
香色山を下りてミニ八十八箇所の向こう側に合流する。縦走といっても、香色山と筆ノ山、筆ノ山とその次の我拝師山の間は、ほとんど麓まで下りるのだ。
計画に従って、ここから平谷登山口に向けてミニ八十八箇所を逆走(逆打ち?)しようとしたら、親切にも五岳縦走コースの標識が反対に行けと指示していた。
まあ標識どおり進めば間違いないと思って進んだら、かなり北に回り込んで結局西山登山口からのコースに合流してしまう。なるほどこれが公式のコースというわけだ。初見だから、まずはこれに従って行くのもよかろう。
といっても、当初あまりにも北に行きすぎて不安になったため、おそらくは単なる営林道から無理矢理登ろうとしてハネ返されたりしている。
…ちゃんとした登山道に入りさえすれば、筆ノ山もまず問題なく制覇。
続いて大坂道から我拝師山登山口に行くと「急坂注意」の看板を発見。冒頭の「クルマから遠目に見て45°は越えている稜線」とはここのことで、この注意は、おそらく観光客のみならず、まさに山歩きに来た人々に向けられたものである。
といっても、単に我拝師山に登るだけなら、出釈迦寺から回った方が便利だが、縦走となるとルートはここしかない。覚悟を決めて登る←最初から登る気満々だったくせに。
所々つづら折れにはなっているが、かなりの部分で鎖場ありの直登ルート。私は歩きのマイペースは人よりも速いほうだが、鎖場みたいな所のそれは、自重があるせいか? 極端に遅くなる。ここで今回のようによじ登るのが得意なメンバーが一緒だと、マイペースを超えて行動してしまって相当に消耗してしまう。3回目の登りということもあって、五岳中最高峰という以上に疲れた。
我拝師山の頂上付近は比較的なだらかで広場然としている。樹林に囲まれてあまり展望はないが、海側の1方向のみ刈られているのか、瀬戸内は見渡せるようになっている。ここで少し早いお弁当として足を休める。
第2区: 捨身ヶ嶽禅定~鳥坂
我拝師山からは、出釈迦寺奥の院(捨身ヶ嶽禅定)に向けて断崖を下りていく。
話には聞いていたので、行動再開前にストックはたたんでおいたが、登りと違って足元が丸見えの中で岩場を下りるのはなかなかスリリングだ。
出釈迦寺本堂からここまでは、お寺のクルマ(有料)で登ってくることができるらしい。名水が湧いているとのことで、ぼちぼち手持ちの水を補充したかったが、本堂近くまで下りるハメになったらどうしようと思ったので、そのまま先に進む。どうせここから先のアップダウンは100mの幅のうちだ。
4番目の中山は、おそらくへばっていたせいか、特に印象なく通過。5番目の火上山は、中世に烽火台に使われたらしいが、中山ともども樹林に囲まれて、現代では烽火を上げるのはともかくとして、他所の烽火を確認するのは困難かもしれない。
火上山からの下山路はいくつかあるらしいが、鳥坂に近い北寄りのルートで下山。実は烽火台跡は、そこを通り抜けて下山できるとカン違いしたおかげで見つかったのであって、もし最初から今回の下山路に戻るつもりで引き返していたら、手前の石組みが烽火台跡だと思い込んで満足しているところだった(汗)。結局石組みの正体は未だわからない。
第3区: 鳥坂~香色山
善通寺の駐車場までクルマで来ているので、そこまでは戻らなければならない。今回、余裕があればR11の向こう側の天霧山を縦走して海岸寺駅に出るというオプションコースを目論んでいたが、予想どおり、わりと早めに下山できてしまったものの、暑いし病み上がりなので、天霧山の縦走はまたの機会に。といっても時間はあるし、平地ならいくらでもサポートが受けられるので、善通寺の駐車場まで(道路を)歩いて戻ることにする。
鳥坂でペットボトルを補給。峠越えは歩行者といえどもR11しか選択肢はない。平地になったところで遍路道に分かれる。出釈迦寺に寄り道してみようと思ったら、西行庵の道標を見かけたのでさらに寄り道。先行のお遍路さんが、道を間違えたと思ったのか慌てて止めに来た(汗)。無駄に走らせてしまって申し訳ない。
ただ、はじめに標識があって以来、道は何回か分かれているが、次の標識がいつまでたっても現れない。地図に載っている方の道を選ぶが、いくら何でも登りすぎやろうと不安になってきたあたりでやっと『あと100m』の道標が現れる。知らない道で、おまけに登り坂は、実際よりも相当に長く感じるものである。
というわけで、本当に西行庵が現存していたら文化財ぐらいにはなっているはずで、今あるのは最近建てられたお堂である。
ここまで来ればもう心配ないので、お弁当の残りを平らげる。ただ水は相変わらず不足気味。出釈迦寺で、例の名水を補給しようと思ったら、本堂から見える範囲には見当たらず。奥の院近くまで登るハメになったらどうしようと思ったので(笑)、そのまま曼荼羅寺方向に下りる。
あとは主要道を避けて、山の麓沿いの道を歩いたが、筆ノ山の麓に知らないうちに『五岳の里』なる公園ができているのを発見。まだ季節は一周していない様子だが、花に力を入れているようだ。私はムリだが、親父とかは今後暇つぶしとかでやって来るかもしれない。
最後の水を補給して、香色山登山口に戻る。5月にしては暑かった。