星守る犬
続編でパグが主役だったので? 前編とあわせて購入。
「感動した」「泣いた」との評判だったが…確かにいい話だと思うが、この物語に感動できる人は、この物語を純粋に物語として眺めることのできる人であろう。私としては、すべての当事者が自らの生き様に感動していないように、特には感動しなかった。ただ「こういう生き様もあり得る」と考えさせられたものである。
作中起こる出来事は、確かにそんなに滅多に起こることばかりではないかもしれないが、あっても不思議ではない、ある意味平凡な?ことばかりである。私は、このマンガの値打ちは、そういう平凡な人たちが時折見せる機微にあると思う。
中でも「『がっかり』は、もうちょっと離れた相手にしか持てん気持ちだ(以下略)」というセリフにはハッとさせられた。言われてみれば、上司や部下に対して『がっかり』とか『残念』とか思うのは、チームとは一線を画して立っている証拠なのだ。毎日のゴタゴタの中で、自分が漠然と描いていたチームのありようを、いつのまにか自分で壊していたことに愕然とした。喜怒哀楽が自然に共有できてこそ、やれば誰かが喜んでもらえるから頑張りたいと思うし、やらなければ誰かが困るから頑張りたくなるのではないかと思う。
とはいっても、モチベーションは人それぞれなので「ただ直接自分のために頑張る」という考え方を否定するものではない。もし直接自分のためで100%の力が出せるとしたらすごいと思うし、そういった人を相手に渡り合う自信は私にはない。ただ昨日の自分以上の力なら出せるような気はする。
何行にもわたってややこしく書いたが、前世紀の知恵は、これを『友情パワー』と簡潔に表現することに成功している。昔の人はえらい。
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