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ハイキング

石鎚山+α

本日のまとめ:「山道は嫌いではないが、追っかけられるのは大嫌い」

今回も体力に自信ないパーティにつき土小屋から登山開始。

石鎚スカイラインを回り込んでいる時には、主峰が見事に拝めて、過去2回とは比較にならない好天に期待が持てたが、危うく満車を食らうところだった駐車場に到着した頃には雲に隠れてしまい、今日の午後からの天気予報を思ってちょっとがっかりする。

まあ細かい雨に多少は降られたものの、たまにはガスが切れて、どうにか3回目にして初めて、弥山から天狗岳をはっきり捉えることができた。これだけ晴れたら天狗岳まで行く値打ちは充分にあるところだったが、天狗岳までの稜線を往来する人が、思わず笑っちゃうほど多い。

まあ実際に歩いてみたら、不思議なほど滑らない岩で、サブルートがわりと確保できたため、すれ違いには苦労しなかった。ということで、20年越し?に、西日本最高峰にたどり着く。

今回は弥山に留守番を待たせているので、南尖峰への遠征は諦めて戻る。東稜を攻められる面子でパーティを組んだ時のお楽しみに取っておくとする。

でまあ、メンバーの一部がいつも以上の高度のせいで?へばって、余分に休憩が必要だった以外は無事に土小屋に到着。

歩き区間は上記のとおり問題なかったが、本当の冒険はクルマでの帰途にあった。

帰りは瓶ヶ森林道からR194で西条に出てひとっ風呂浴びる計画だったが、どうも林道沿いは雲の中で、離合に苦労するに見合う値打ちはなさそうに思った。そこへ出発早々にワゴン車とモーターバイクに追いかけられて閉口したので、r40に逃げる。

走行距離は若干損するが、R194に早めに出られる分有利か!? との目論見だったが、長沢貯水池まで下りる道どころか、下りてからも一向に道幅が広がらない池沿いの道をのたくるハメになる。おまけに眺望を犠牲にして交通量のない道をチョイスしたつもりが、なぜかまたかなり早い段階でミニバンに追いかけられる。

こと山道のドライビングに関しては、ひたすらロードバイカー的な省エネ走法で乗客の好評を得てきたつもりだったが、本職の?ドライバーに追いかけられたら、ポリシーを放棄してパワーとブレーキを駆使せざるを得ない。しかし後ろのクルマは、こんな走りでよく(本車のように)同乗者から文句が出ないものと感心する。あ、同乗者いないや。

結局なんにもメリットなくR194に出る。「えらい目に遭ったから道の駅で一息入れよう」とのことでカーナビに質問したが、ここで第一のカーナビトラップ発生。『最寄りの道の駅』という探し方ができなかったせいで、西条方面に行けばあったはずの本川の道の駅を見逃して、吾北の方に行ってしまう。

吾北まで来てしまったからには、もはや西条まで出る気は起こらず、R439で大豊に出てそのまま帰る作戦に切り替えたが、ここで第二のカーナビトラップ発生。

R439の吾北~大豊については、通称ヨサク国道との評判とは裏腹に、ごくスムーズに移動できたが、本山に達したところで高知道の大豊→新宮が事故通行止になっているとのVICSを受信。VICS圏外というのを計算に入れていなかったのは不覚であった。

ただカーナビは何事もなさげな体で、並走するr5を示す。ここで第三のカーナビトラップ発生。カーナビの画面がもう少し広ければ、あるいはもう少し簡単にスクロールできて、新宮ICまでの区間の全容を早い段階でわかっていれば、ちょっと考えたかもしれない。

しかしながら、立川集落までの快走路を走っている段階では、まさかこれが元祖笹ヶ峰トンネルを擁する標高800m超の峠道であることは知るよしもなかったのであった。ドライバーはこの種の探検は嫌いではないが、乗客にとってはいい迷惑だったに違いない。もっとも通行止の原因になった事故車両を目撃したのに限っては、高知道を並走した値打ちはあったらしい。人的被害が無かったのは不幸中の幸いだった。

なおr5のこの区間については、対向車の2台とすれ違った以外は、誰かを追っかけたり追っかけられたりということはなかったので、通行止区間の代替として使った物好きはあんまりいなかったものと思われる。といっても、さすがにR32→R319と迂回するよりは(あくまで新宮ICから乗るのにこだわるなら)早いはずなので、大豊ICで下ろされたクルマの大半は、R32をそのまま三好市方面に抜けたような気がする。いずれにしても、厄介な区間が通行止になったものだ。

まあ、伊野の市街地に出てひとっ風呂浴びてから高知道に乗る、というプランも検討されたが、そうやって大豊の出口渋滞に捕まるよりはマシだったと思いたい。

とりあえず、同乗者の間では「当分カーナビは信用しない」との残念な感想をいただいたが、私としても、今後こういう旅では、いかに邪魔物扱いされようと地図入りのノートPCを持って行くことを心に決めたものである。

2011/07/31 22:59 | カテゴリー:ハイキング, 写真 | コメント(0)

当尾石仏めぐり追試

4月3日 天気曇のち晴 愛猫裏メンバー2人

再び当尾へ、1月の探検のときに見逃した石仏と、不明のまま残っていたルートを押さえるために出かけた。

まあ予定していたいずれの目標も達成したが、出かけてから判明するポイントがまだまだ出てきたりして、実に奥が深い。

◆◆◆詳細記録は現在作成中◆◆◆

2011/04/03 23:19 | カテゴリー:おさんぽ, ハイキング, 写真 | コメント(0)

加茂町散策

1月9日 天気曇時々晴一時霧雨 愛猫裏メンバー2人

加茂町(木津川市)の浄瑠璃寺・岩船寺界隈を案内せよとの指令が下る。依頼人の目標は、今後いつでも(私の案内無しでも)、両寺の間を歩いて往来できるようになりたい、ただしそれぞれのお寺のアプローチはバスを使うとのこと。

ということで、今回は、当尾(とうの)散策と絡めて、近鉄奈良駅からJR加茂駅に至るルートを仕立てて臨んだ。

結果的に散策路付近については目的は果たしたが、いつもの藪をつつく系のプランニングのおかげで、むしろその前後が印象的な散歩になった。依頼人には一度ならずUターンさせたり、不安に陥れたりして申し訳ない。

第1課: 近鉄奈良から浄瑠璃寺

最初の目標は、浄瑠璃寺南口バス停。南口という名前にもかかわらず、地形図上はお寺正面に回り込んでいるようだが、それでもバス路線を歩くよりはずいぶん近いと計算。

なるべく幹線道路は通らないように、転害門から裏道に入り、川上町の信号でR369柳生街道に合流。

登大路町
登大路町から東大寺
転害門
転害門は脇から通過可能
川上町交差点
R369に合流(うしろ向き)

交通量が心配だったが、登りにかかる前は歩道が完備されているし、それ以降は中ノ川の分岐まで裏道が使えたため、R369に関しては問題なし。浄瑠璃寺・岩船寺に向かう府道33については歩道無しだが、交通量も無くなったので、結局浄瑠璃寺南口まで特に気にせず歩けた。

長尾町交差点
歩道はここまで、代わりに脇道
裏柳生(!?)街道
両側はずっとフェンス
浄瑠璃寺南口
ここから『点線区間』

さてここから地形図で言う『軽車道』に入る。さすがに実線で描いてあるだけあって、クルマで踏み固められた確かな道で、地形図どおりに分岐もあって、ここまでは楽勝。

と思ったら、地形図で言う徒歩道、俗称『点線』に入ったとたん、牛舎だか豚舎だかで放し飼い?の犬十数頭に遭遇。やたら吠えられたが、とりあえず鼻でつつく(嗅ぐ?)以上の物理的攻撃はしてこないので、やるべき食べ物を持ってないことをアピールしつつ前進。

しかしいくらも進まないうちに、採石場?に行く手を阻まれる。さすがに採石場では、作業してなくても関係者以外は立ち入りづらい。地形図上の道は、事務所エリアを突っ切る方向に伸びているが、遠目に蛍光灯が点いている。仕事中だとしたらなおさら、これ以上進むのもとどまり続けるのも難しいと判断。

そもそも見知らぬ犬の大群が寄ってきた時点で普通のハイカーならびびる、というのは飼い主も容易に想像するであろうから、おそらくはここの道は通したくないという意図である公算が大きい。ということで、犬の群れにもまれながら元の道に戻る。結局同伴者に無駄にコワい思いをさせただけに終わった。

というわけで、最初の目的地を目前にして金縛りに遭う。これは困った。

浄瑠璃寺南参道?
わりといい雰囲気の『参道』だったのに…
採石場と豚舎
ここで行く手を阻まれる(東に逃げてから撮影)

課外: 浄瑠璃寺南口を検証する

果たして『浄瑠璃寺南口』は、本当に浄瑠璃寺の南口として機能しているのかどうか? 帰って調べてみた。本当は出かける前に調べるべきなのだが、あえて調べずに飛び込む性質なので、同伴者にはいい迷惑なのだ。

とりあえず、この道を通って浄瑠璃寺に行った人はいるらしい。というか、現地の案内図だと『水飲み地蔵』という水場つきの立派な参道のはずなんだけど!?

あと、採石場作業員に訊ねた方もおられるらしいが、答えが「行ける」「いや行けん」というレベルで、少なくとも「通ったらダメ」という姿勢ではなかったらしい。

で、実際に通ろうとしたら、コンディションが非常に悪く、結局諦めたとの報告もあり。

以上の調査結果により、非常に論理的な結論を導くと「今度逆方向から攻めてみるか」である(笑)。

第1課補習: 迂回して浄瑠璃寺

軽車道をr33に戻る。しばらく車道を歩くことになるので、車道合流前にお弁当を広げる。ストーブ出して、食材出して…チタン鍋がない!? しまった荷造りの時にいっぺんよけて入れ忘れたか!? いずれにしても、食料入手の最も期待できない場所に弁当なしで放り出されるのは大ピンチだ。ここはとにかく、浄瑠璃寺でも岩船寺でも、お昼のありつける場所に一刻も早くたどり着かなければならない。

…という決意とは裏腹に、ショートカットと称して入った山の中で足が動かなくなる。たまらず非常食(カロリーメイト)に手を出す。これでいよいよ後がなくなった、と思ったら、車道(r752)に合流する手前で、そういえばチタン鍋は防水袋に調味料と一緒に放り込んだような気がして確認すると、果たして出てきた(汗)。

というわけで、史上初、非常食を食べた後での弁当になだれ込む。きわめて体裁悪いが、非常食で頭に栄養が回ったおかげで、鍋のことを思い出したのだと思いたい。

本日のメニューは、冷凍ご飯と高菜入りちりめんじゃこ(出来合い)と玉子で雑炊。結果的には、ご飯を冷凍していてよかった。冷凍してなければ、ナベがないと思った時に高菜入りおにぎりにして食べていたはずで、そしたらナベが出てきた時のショックは計り知れないものであっただろう。

話は前後するが、ショートカットということにして、その実ほとんど己の趣味で入った徒歩道、こちらは地形図どおりにr752に出ることはできたが、地形図に載ってない分岐と合流が1回ずつあって、それぞれの道がどこに行くのか非常に気になっている。とりあえず、地形図の点線をトレースできる自信のある方以外は、素直にr33→岩船寺口→r752の車道を歩くことをお薦めする。所要時間もおそらくそちらの方がかからない(笑)。

東鴨川町の山道
地図にない分岐を脇道へ(うしろ向き)
r752合流
たぶん車道を歩いた方が速い
ミロクの辻
ミロクの辻からr47重複区間

そう、浄瑠璃寺に行くつもりが、どういうわけか岩船寺口に来てしまっているのだ。ここは予定を変更して岩船寺→浄瑠璃寺の順番にするか? と一瞬考えたが、まさかこんなアクシデントが起こるとは思ってなかったから、浄瑠璃寺→加茂のルートは調べてなかったし、どちらも距離的に大差ないと思えた(最適なルートで回れば岩船寺→浄瑠璃寺の方がほんの少し短い、ことが判明したのは帰宅後)。それより大事なこととして、予定のコースは平気で変えるわりに、予定の目的地を変えるのはガマンできない性格だったりする。

ミロクの辻を通過して間もなく、その名の由来になった弥勒菩薩が彫られた岩が現れる。道はここで岩船寺に向かうr47と、石仏散策路に分かれる。さきほどの決意により、散策路を進むが、ほんの200mほど進んだところで、今度はそこから岩船寺に向かう徒歩道が分岐。そんなに岩船寺に誘いたいのか(そうか?)。

弥勒菩薩像
車道を岩船寺か、徒歩道を浄瑠璃寺か
岩船寺・浄瑠璃寺分岐
今度は岩船寺への徒歩道分岐
石仏散策路
散策路を浄瑠璃寺へ

かまわずまっすぐ進むと、わらい仏・眠り仏が現れる。この辺の石仏って、正式名をあえて伏せてニックネームで売り出しているような気がするが、しかし見ようによっては、他の場所の阿弥陀さんもみんな笑っているような気がするんだけど??

わらい仏を過ぎて間もなく、みたび岩船寺に向かう、今度は階段が出現。おそらくこれが両寺を結ぶ最短の徒歩道であろう。

久しぶりに民家を見かけるようになったら、唐臼(カラス)の壺に出会う。単に『からうす』がなまっただけで、鳥類とは関係ないらしい。ただし、他の場所で『からす』とか『カラス』とかの案内標識を見かけたりすると、ちょっと自信がなくなるけど。

で、すぐ傍にある石仏が『からすの壺二尊』。ついに石仏自身ではなく近所の物を使って識別されてしまった(^^;。

それより、地形図に載っていないくせにやけにしっかりした道が南方向に伸びている。これもどこに出るのか気になるが、これだけしっかりした道でどこかに出るのなら、標識に行先のひとつも書いてあると思うので、やっぱりすぐ行き止まるのかもしれない。現地の案内図では『クワ地蔵』というのを通って浄瑠璃寺南の参道に繋がるらしいが…? 暇な時にまた来て確かめないと。

わらい仏・眠り仏
わらい仏・眠り仏
唐臼の壺
カラス?の壺、前方に地図にない道
からすの壺二尊
からすの壺二尊

アタゴ灯籠で車道(r752)に合流、5分足らず歩いて浄瑠璃寺門前に到達。採石場から10分で来られるはずが、2時間半もかかってしまった(弁当の時間も含めて)。

アタゴ灯籠
アタゴ灯籠でr752に再合流
やぶの中三尊
やぶの中三尊
浄瑠璃寺門前
浄瑠璃寺目前でUターン

第2課: 浄瑠璃寺→岩船寺

浄瑠璃寺は昨秋に入った、今回は両寺の道順が知りたいということで、門前でUターン。てっきり入るとばっかり思っていたのが拍子抜け。しかし、もし入っていたら、結果的に岩船寺には入れなかったことになる。

来た道を戻る途中、首切り地蔵まで200mの標識があったので寄ってみる。

消防屯所の裏にあるその正体は、地蔵ではなく阿弥陀さんであった。なぜに首切りかというと、あごの下がくびれて切れているように見えるからとか、処刑場にあったからとか言われているが、そんな案内を掲げているもんだから、明らかに大勢に首のあたりを触られているように見える。この分だと本当に切れるのは時間の問題かもしれない。

消防屯所…の裏に首切り地蔵
首切り地蔵に立ちはだかる消防屯所
首切り地蔵
阿弥陀さんなのに地蔵

わらい仏近くの三叉路を岩船寺方面に曲がると、やたらでかい石を使ったワイルドな石段。これは人によっては厳しいかもしれない。

石仏散策路
散策路を岩船寺へ
岩船寺石段入口
岩船寺へはここから石段
岩船寺徒歩道
岩船寺徒歩道に合流

岩船寺奥の院は、ミロクの辻からの徒歩道に合流したところにある一願不動。不動さんなので、もしかしたら谷底まで下りるのかと思ったら、あまり下りないで助かった。

一願不動下り口
一願不動下り口
一願不動
一願不動(岩船寺奥の院)

車道(r47)に再合流すると、まもなく岩船寺に到着。

この時点で15時過ぎ。閉門16時ということで、じっくり見学するにはギリギリの時間である。

府道47号
r47に合流
岩船寺入口
岩船寺入口に到着
山門より
アジサイ参道

こちら花の寺、とりわけアジサイで有名だが、わざわざこの時期にやってくると、本堂内の説明を貸切でやってくれるという利点がある。本堂内は撮影禁止につき文章にて説明すると、本尊は阿弥陀さん。なんでも平等院より古いとか、腕の太さで年代がわかるとか。周囲に鎌倉時代作の四天王があって(そういえば石仏めぐりの磨崖仏も鎌倉~室町初期の作だった)、堂内を一周すると、十二神将と、象に乗った弥勒さんと、三重塔を支えていた初代の?天邪鬼がいる。

池越しに三重塔
本堂から阿字池
本堂から五輪塔方向
本堂縁側より
三重の塔1階
天邪鬼いました

アジサイ広場(休憩所)
アジサイ広場から境内を見下ろす
三重塔3階
3階にも天邪鬼
ミニ五輪塔
重文よりこっちの五輪塔の方がツボ

シーズンを外してはいたが、門限まで境内を回ってしまった。ここから暗くなるまでに最悪でも麓までは下りなければならない。

第3課: 岩船寺→加茂駅

コミュニティバスの路線どおり、r47を通っていけばほぼ確実にたどり着けるが、ここは、やたらカーブの連続する車道を極力通らないショートカットルートを開拓する。

岩船区公民館から100mほど進めば、浄瑠璃寺への車道(r752)が分岐する。狙うショートカットは、ここから浄瑠璃寺方面に200mほど進んだ畑垣外集落から入る。ちょうど岩船観音寺跡からの山道が下りてくる所だが、後で調べたらこれもショートカットだった(汗)。

畑垣外集落
ここからショートカット作戦開始
観音寺跡への道
ここから岩船寺方面にショートカット可

さて問題の道は、一応コンクリートは敷かれてあってちょっと安心したが、とりあえず地図に載ってない分岐が2箇所ぐらいあって焦る。こういう場合、道がなくなるより分かれる方が始末が悪い。極めつけが3方向の分岐で、見た目確かそうな、カーブミラーのある真ん中を選ぶ。カーブミラーがあるということは、少なくとも一時期は、ここを車両(軽トラ?)がかなりの高速で通っていたことを意味する。

木津川眺望
夏期なら夕景スポットかも
Y字路
GoogleEarthだと左の道の方が確か
三叉路
真ん中進んで失敗

路面はいよいよ土と落ち葉と木の枝に変わる。山を下りるほど怪しくなる道というのも珍しい。よく見たら、まだコンクリートの舗装は続いていて、それに土砂が積もったという道。その道が、ほとんど谷底に下りたところの廃畑でぷっつり途切れる。地形図の破線は、ここから沢の流れる方向に続いているのだが…? おそらく同じ地形図を見たであろう誰かが沢まで下りた形跡は認められる。私ももし単独だったら突っ込んだかもしれないが、初心者同伴で何メートル続くか見当がつかない道なき道を進むのは厳しい。

やむを得ず、日没が迫る中を300mほど、例の3分岐まで戻る。地形図の破線の道は、自信がないという意味に違いない!? 装備が不充分ならおとなしくr752まで戻っていたかもしれないが、ヘッドライトとGPSが生きていれば、仮に真っ暗になっても戻ることはできる、と、左の道に入る。こちらは舗装はないものの、軽自動車の轍跡がはっきりついた道である。しかし、元々の破線があてにならないとはいえ、空白の地域を歩くのは何とも心細い。

大久保の田んぼ

現役の田んぼが見えた

途中さらに分岐らしいものはあったが、先ほどの谷に下りる方向に進んでいくと、谷底まで直線距離で100mというところで、ついに左右から伸びる笹に行く手を阻まれる。少し進んで事態が回復しなければ、諦めてr752まで戻ろう、と思ったところで、眼下に現役の田んぼを発見。ということは、少なくとも人里まで行ける道があるということを示している。

とにかく、なんとしても田んぼまではたどり着く、と最後の気合いをいれた割にはそれほど障害なく、問題の沢に再び到達。で、田んぼの向こうに格段に立派な道を発見。しかも沢の上流に向かって伸びている。これはもしかして、さっき追い返された沢で少し頑張っていれば…とも思うがこれは結果論か。機会があれば、逆方向から攻めて確かめたいところ。なんにせよ、田んぼが見えるぐらい明るさが残っていて助かった。ヘッドライトだと足元は照らせても、田んぼは発見できない。

道路改修記念碑

ここから浄瑠璃寺に行ける

ということで、1回のミスコース?を代償に、山道の開拓には成功したが…南加茂台団地に向かう途中、西小~九体寺(=浄瑠璃寺)間の道路改修記念碑に出会う。ということは、ここから浄瑠璃寺は、かなり程度のいい道路なのかもしれない。やっぱり岩船寺→浄瑠璃寺の順番にしとけばよかったかも!?

あとは、南加茂台団地の東端を通り抜けて、加茂駅までまっすぐ。

まとめ

前節でちらっと書いたように、柳生街道から両寺を訪れて加茂に抜けるハイキングにあたっては、岩船寺→浄瑠璃寺の順番が望ましい。

本日のハイキングの最終版で見つけた浄瑠璃寺改修道路は、どうも墓地があるだけで見所は少ないみたい。やっぱり浄瑠璃寺からは、首切り地蔵からプラネタリウム方面に下りて、大門の最大級の石仏を拝むか、ノーマルに府道沿いの石仏群を拝みつつ下りるかのいずれかがおすすめルートになるだろうか。

しかし地形図に載ってない道がやたらあった。いつか歩き潰してみたいが、そうやって行ったら際限なく分岐が発生してどうしようもなくなるような気もする。

距離高低図

本日の距離高低図


時間高低図

本日の時間高低図

2011/01/09 23:36 | カテゴリー:おさんぽ, ハイキング, 写真 | コメント(1)

伏見稲荷と東山トレイル

11月21日(日) 天気晴 単独行

どうやら11月中で最高のお天気な休日になりそうなので、急遽フィールドワークを敢行する。

本日の目標は

  • 伏見稲荷が『紅葉の名所』かどうかを確かめる
  • 南禅寺奥の院から若王子神社に出られる地形を確かめる
  • 往復いずれかの交通費をかけない(笑)

…念のためお断りしておくと、伏見稲荷と南禅寺は直線でも5km以上離れているので、歩きでハシゴするのは、たぶん一般にはお薦めできないので気をつけていただきたい。いやこの時期なら案外バスとかより速かったりする…ことはないか(笑)。

第1区: 高瀬橋~稲荷山権太夫

「往復いずれか」とは書いたが、実際のところ、あわよくば南禅寺あたりで夕景を拝めるような時間調整も兼ねて、伏見稲荷まで歩くことは決めていた。いつもは最寄りの駅へのアプローチということで歩程の勘定には入れていないが、今回は高瀬橋をスタートと定めて、七瀬川に沿って歩く。

さすがに通しで歩いたことは今までなかったが、やけに小綺麗に整備されている。案外ボーッと過ごせる穴場かもしれない。特に竹田街道とR24の間の区間は、どっちの道も直接横断するのが難しい秘境?とみられる(今回も通れなかった)、ただ近鉄がやかましいかもしれない。

七瀬川
七瀬川
七瀬川

七瀬川区間終了後もアミダくじのように北東に向かって進み、名神高速を潜ったあたりで大和街道に出る。半分予想したとおり、伏見稲荷参詣待ちのクルマが、JR奈良線の踏切を越えたところまで繋がっていた。一方通行でこれをやられると、単に通過したいだけのクルマはたまらない。外拝殿やら社務所やら改築中なのに、紅葉の名所とアナウンスされているわけでもないのに何ですかこの人出わ(汗)。

伏見稲荷
外拝殿は工事中
伏見稲荷
社務所も工事中
伏見稲荷
紅葉もなくはない

むろん歩きは何の問題もなく入場。稲荷山を通り抜けるだけなら真っ直ぐ登ってもよいが、紅葉の名所かどうか見届けるために、今回は東山トレイルのコースなりに奥社に回る。

さて、今回どうして伏見稲荷が紅葉の名所という話が出てきたかというと、某ネコのマンガに伏見稲荷をモデルにした場所があって、そこが紅葉の名所として描かれていたから。実際に千本鳥居で橙色の(紅色はたぶんいまいち)紅葉が散っていたりしたら素敵ですよね(あっしまった)ということである。

千本鳥居
千本鳥居は緑の中
千本鳥居
通るのはなぜかいつも左側
千本鳥居
鳥居というより檻かも

というわけで本殿から奥の院まで歩いたが、外拝殿までの参道沿いに多少植わっていた以外では、特別に植えたような気配はない。そしてここからは原生林なので、少なくとも人工的な紅葉の林はますます期待はできないであろう。となると、こういう書き方は無粋だが、作者の人はどのようにして、伏見稲荷と紅葉をひっつけるに至ったのか気になる。

まあ、その手の名所の一面紅葉というのも確かに壮観だが、そういう人工的な庭とは別の意味で、先々週の台高山脈のように雑多な紅葉がひしめいていたり、今回の稲荷山のように、山林の中に偶に紅葉があるという絵も悪くない。

三玉亭三辻
三辻でひと休み
権太夫四辻
阪神高速つながった

第2区: 稲荷山周回

トレイル2番、権太夫の四辻から一旦トレイルを外れて、稲荷山頂周回コースを時計回りに歩く。とにかく本日は時間を潰さないといけない。

ちょうど眼力さんに紅葉が1本あったので撮らせていただく。さすがに、確実に30分はかかる周回コースに入り込む観光客はそれほどいない。なんとなく神々しい雰囲気を保っている周回コース北側の原生林の中を歩いていると、いつもは道なき道を進むのも厭わない私でも、何となく樹林に入り込む気が起こらないものである。

大杉付近
大杉の木漏れ陽
眼力社
眼力社の紅葉
清明舎
清明舎の紅葉

剱石
剱石より
春繁社
春繁社付近の原生林

稲荷山は何回も登っているが、今回初めて気がついた。大台ヶ原は、木道とロープを使ってコースから外れないようにしているが、稲荷山は、原生林を保護するために、千本鳥居を使って同じことを狙っているのではないのだろうか? 人間、コースを外れるなとあららさまに禁じられたら外れたくなるものだが、柵であるということを気づかせずに巧妙に観光名所を装っているとしたら、そしてそれを何百年も昔から狙ってやっていたとしたら、これは文化庁もUNESCOもびっくりな快挙と言えるかもしれない。

そしてそのことに気づかない人間は、奥の院までの千本鳥居を体験したあとは、そこから多少鳥居がまばらになったり朽ちていたりしても、なぜかそこに見えない壁を感じるものである。ただし、こんな感じに道標があって、明らかに道がついている場合は除く。

末廣滝分岐
『末廣滝一丁』の道標
末廣滝上の分かれ道
3道分岐(右の道は画面外)

…って、今回なぜか『末廣滝一丁』と書いてある、その一ノ峰手前の分岐が気になった。独り旅だし、時間も余裕あるので、何か発見できるかもと期待して、サブコースのサブコースと洒落込むことにする。

と思ったら、突然道が3つに分かれる。Coloradoの地図では道が2本しかないことになっていたので、1回の往復で全容がわかると思っていたのに、のっけから計算違いだ。

朽ちた鳥居跡のある真ん中が一番古いと思われるが、ダンジョンでは左手沿いに進む(右手だったかも)の鉄則に従って、とりあえず一番左を選択。一丁進んでも滝は発見できなかった代わりに、またしても地図に載ってない十字路を発見。ただし親切にも行き先が書いてある。今回は地図に載っている?深草方面の下山路を選択。ちなみに残る2本は、それぞれ滑石越(醍醐道)と大石神社に出るらしい。

稲荷山南東尾根道
伏見稲荷にこんな山道が
山科方面分岐十字路
南東尾根の十字路

進んですぐに、眼下にお社と鉄骨の舞台が出現。舞台に下りてみたら、上下20mはあるような岩が祀られていた。その名も『大岩神社』。大岩神社といえば、名神高速の向かい側の大岩山にあると思っていたら、こっち側にもあったというわけだ。というかインパクトはこちらが上かも。

先客が般若心経をあげていたので、今回は撮影は遠慮してさらに下りると今度は『小岩神社』を発見。ついさっき大岩を見たところということもあって、大きさのギャップに驚く…とりあえず廻る順番は逆だったかもしれない。

末廣社と思われる建物の下まで下りたところで三叉路になった。どうやらこれが地図に載ってない直登ルートらしい。地図どおりだと、もっと下りて登り返しのルートを覚悟していたのでちょっともうけた。いずれにしても、このあたりは今後何回か開拓に来ることになるだろう。しかし本殿付近の大混雑がウソのように静まりかえった場所である。

さんざん引っ張って何だが、あとで確認したら、今回通ったいずれの道も、山中何箇所かに掲示されている地図のいずれかに載っていたりする(笑)。

小岩神社
小岩神社
末廣滝
末廣滝に沿って下りる
末廣社下
末廣滝直登ルート分岐

さて周回コースに戻って、最高峰一ノ峰を通過。ここでも紅葉が1本だけあったので、お狐さまと一緒に撮らせていただく。

ここらへんから人が増えてくる。どうやら一ノ峰まで往復という人は多いらしい。稲荷山の尾根筋ということもあり、周回路北側と違って明るい雰囲気である。

一ノ峰
一ノ峰の紅葉
二ノ峰
二ノ峰の紅葉

三ノ峰には紅葉は見当たらなかったが、キツネ色のお猫さまに遭遇。これはサブサブコースで時間潰したおかげかもしれん。ただ水を飲んでいた所へ出会い頭だったのでびびらせてしまったようだ。

三ノ峰
三ノ峰のお猫さま
三ノ峰
お猫さま逃げた
三ノ峰~権太夫
三ノ峰~権太夫の紅葉

第3区: 権太夫~将軍塚

お昼を回ってようやくトレイルに復帰。事あるごとに鳥居形電飾がつく展望所から確かめると、やっぱり目立つ紅葉は外拝殿の外側、駐車場付近にしかないようだ。

鳥居電飾台
権太夫裏の鳥居電飾台
鳥居電飾台の展望
紅葉は入り口付近だけ
五社の滝入口
五社の滝は色づき前

稲荷山を下りて、クルマやらバスやら観光客やらでごった返す泉涌寺、今熊野観音を通り抜ける。鳥戸野陵道に入ると、クルマが入れないだけあって、沿道の石段の落ち葉もそのままの、のんびりした雰囲気に一変する。滑石越はさすがに忙しいが、阿弥陀ヶ峰に入ると、もはや梅小路のSLが時折鳴らす汽笛の音しか聞こえない。

泉涌寺山門
観光客だらけの泉涌寺
今熊野観音寺
同・今熊野観音寺
今熊野観音寺
鳥戸野陵道の紅葉

鳥戸野陵道脇の石段
晩秋の一景
阿弥陀ヶ峰道(京女の森)
京女の森はいつもの休日

清水山も、麓の大変な(と思う)状況とは裏腹に、時折ハイカーとすれ違うだけの静かな雰囲気だが、この区間はさすがにメジャーな観光地が近いだけあって、お子さん連れの比率が多かったような気がする。

清水山南麓
R1から清水山
清水山南口
清水寺裏口は夜間閉鎖中
清閑寺山石塔
北からのトレイルでこれを見たら行き過ぎ

清水山中
清水山中の山道
菊谷
清水山・将軍塚の間の菊谷
東山山頂公園
東山山頂公園

東山山頂公園に到着すると、駐車場から溢れるぐらいのクルマが来ているのにびっくり。混雑の正体は、将軍塚が紅葉の名所になっていること。庭園は有料だが、大日堂までは無料で、この区域だけでも先を急ぐハイカーにとっては充分かもしれない。

青蓮院大日堂
青蓮院大日堂
青蓮院大日堂

青蓮院大日堂
青蓮院大日堂
青蓮院大日堂

第4区: 将軍塚~若王子神社

三条通に下りてからも、引き続きトレイルに従って日向大神宮に入る。日向さんの紅葉も、本数は少ないながら見頃になっている。せっかく本殿まで上がったので、天の岩戸ルートで七福思案処まで進んで、本日のトレイルトレースはここで終了。ここから、問題の南禅寺奥の院に下りる。

高台寺山下山路
高台寺山下山路
尊勝院
粟田口尊勝院
日ノ岡
蹴上も大渋滞中

蹴上インクライン
蹴上インクライン
日向大神宮
日向大神宮
日向大神宮
日向さんの縁結び

日向大神宮
日向さん本殿裏
日向大神宮
本殿裏の紅葉
南禅寺奥の院
若王子山は滝右手の階段から

前回ここを訪れた時は、トレイルは外れないつもりで、地図も武装も無しの完全に手ぶらでのハイキングだったため、ちょっと歩いたところで コワくなって 大文字山登山道のどこかに合流すると判断して引き返したが、帰って地図確認したら、そのまま北側に曲がって若王子神社裏の墓地まで行けそうに見えたので悔しがったものである。今回は、開拓に成功するのはほぼ確実だったが、あわよくば夕景スポットの穴場発見を期待する。

しかし、気合いを入れて進んだ割に、超軽装の観光客3グループ7人ほどとすれ違ってしまってショック(汗)。というか前回こんな道できてたっけ!? 確かに反対側から『新島襄先生墓』の案内を見たらお墓まではやってきそうだし、そこから道が続いているようなら進んでしまいそうな雰囲気ではある。

若王子山への谷道
こんな道ついてたっけ!?
大文字山分岐その1
Colorado(昭文社)の地図にだけ載ってる大文字山への道(右)
大文字山分岐その2
地形図に載っている大文字山への道(右)

新島襄先生墓
新島襄先生墓付近にて
猪よけフェンス前
猪よけフェンス前にて
新島襄先生墓の道標
こういう案内があったら超軽装でも入るかも

延長戦: 若王子神社~蹴上

夕景スポットも結局見当たらなかったので、せっかくだから明るいうちに永観堂南禅寺も撮影するべく、さっさと下りて観光客の群れに飛び込む。とにかく普通に歩けないほどの混雑には恐れ入った。

若王子神社
若王子神社
琵琶湖疎水
若王子神社下の疎水
南禅寺三門
紅葉越しに南禅寺三門

南禅寺勅使門
南禅寺勅使門
南禅寺三門
南禅寺三門
南禅寺水路閣
水路閣越しに

蹴上から地下鉄で竹田まで帰る。本日の交通費はこの250円のみ。しかしまさか烏丸線で積み残されるとは思わんかった。楽してバスに乗り換えようと思って最後尾の車両に並んだのがまずかった。秋の京都おそるべし。

蹴上から都ホテル
蹴上の夕暮れ
蹴上浄水場
蹴上浄水場
蹴上インクライン
蹴上インクライン

蹴上から南禅寺三門
南禅寺三門
蹴上発電所
薄暮の蹴上発電所
菊水さん
インクラインから菊水さん


距離高低図

本日の距離高低図


時間高低図

本日の時間高低図

2010/11/23 22:44 | カテゴリー:おさんぽ, ハイキング, 写真 | コメント(0)

大台ヶ原

2010年11月7日(日) 天気曇時々晴 愛猫会他メンバー6人

避暑(!)のために計画したつもりが、紅葉の時期にずれ込んだ大台ヶ原。時期がよすぎて駐車場が心配ということで、早朝出発を試みる。西大台地区が立入禁止でなかったら、小処温泉から登るつもりで駐車場の心配なんかしなくてよかったのに、何年先でも大台ヶ原は逃げないと思っていたのが誤算であった。

単独ならいくらでも早く出発するところだが、メンバーによっては始発電車で移動経路上にご足労いただく関係で、朝6時過ぎに四条烏丸を出発。

大台ヶ原駐車場

駐車場はガラガラ

やはり大台ヶ原は遠く、到着は9時を少し回ってしまったが、予想に反して駐車場はガラガラ(汗)。「紅葉は見頃過ぎ」というアナウンスだけでなく、これもやはり、高速道路タイムバーゲンの影響かもしれない。みんな高速で行きやすい、または高速でしか行けない場所に殺到するのだ。

さて、大台ヶ原(東地区)は基本的に周回コースとなっている。右回りか左回りか迷うところだが、日出ヶ岳の[主峰]と大蛇嵓(だいじゃぐら)の[インパクト]と、どちらの魅力を後に取っておきたいかで判断していただければと思う。ただし、乗合やツアーで帰らないといけないなど、下山時刻に制約がある場合は、当然ながら見に行きたい方を先にした方がよい。また大蛇嵓~駐車場の区間はマイナス150mの谷渡りで時間の計算がしにくいので、安全を期するなら1周にこだわらず中道を通った方がいいかもしれない。

第1区: →日出ヶ岳

我々はそもそもコースも各ポイントも未経験なので、どちらから回るかはサイコロでも振って決めるしかない。「『ストックの向くまま』と宣言して帰る方向に倒す」という持ちネタは、スタート早々ゆえ憚られたのでメンバーに意見を求めた結果、軒並み天の邪鬼につき、人間の本能に反する時計回りを選択した。

駐車場入口脇の苔単勝路を回ってから、遊歩道本線を日出ヶ岳に向かって歩く。序盤から、所々落ち葉が積もっているコンクリートの舗装路で少し拍子抜け。しかし京都周辺の杉林とは違った雰囲気の山林に期待が膨らむ。

苔探勝路
苔探勝路を歩く
苔探勝路の苔
苔探勝路の苔
苔探勝路の苔
苔探勝路の苔

主周回コースに出たあと25分ばかり歩いて、主峰直下の鞍部に到達。ここで初めて熊野灘が視界に入る。

天気は絶好にはほど遠かったが、それでも熊野灘は楽勝で見えた。こちら1年に400日雨が降ると言われているので、どうやら残りマイナス35日のうちの1日に運良く当たった(笑)ようだ。滅多に来られないところなので、これだけ視界があれば文句は言えない。

展望デッキから見下ろすと、尾鷲の街がすぐ近くに見えて、ここからなら歩いてでも駅まで行けそうな気もするが、実際には直線でも10km以上離れているそうな。

展望デッキ
展望デッキに到着
展望デッキより日出ヶ岳
日出ヶ岳に向けて呼吸を整える
展望デッキより尾鷲方面
曇りだけど熊野灘は見える

展望デッキで力を蓄えて、いよいよ山頂アタック?開始。大台ヶ原名物の立ち枯れが見え始める中、ほんの6分ほど登って日出ヶ岳に到着。避難所を兼ねた展望台と一等三角点のある立派な頂上である。愛猫会史上最高地点だ。しばらく360度の眺望を楽しむ。

山頂直下の斜面
日出ヶ岳下の立ち枯れ
日出ヶ岳三角点
日出ヶ岳三角点
正木峠
正木峠=潮岬方面

尾鷲方面
尾鷲方面
大峯方面
大峯方面
大杉谷方面
大杉谷=志摩方面

参考までに、ベストな時は、山頂から富士山が見えるらしい(売店に証拠写真あり)。果たしてドライブウェイが通行可能な時期に、これだけ見えるのは年に何回あるだろうか? 少なくとも平日に本業を抱えているアマチュア写真屋がこれに当たるなら、その運を宝クジを当てるのに使った方がいい、ような気がする。

第2区: →正木が原

風が強くて身体が冷えるので、山頂からは早々に退散。先ほどの展望デッキを通り過ぎて、正木峰(正木峠?)に登り返し。

日出ヶ岳下山
正木峠に向かう
トウヒ
立ち枯れ
正木峰から日出ヶ岳
正木峰から日出ヶ岳

シロヤシオの並木を抜けたあとは、本格的な立ち枯れの風景が始まる。大台が原の写真といえば、大抵ここの写真になる。みんな半分ぐらいこの風景を目当てにやってくるのかもしれないが、本当は、元の樹林に戻したいみたい。少なくとも、立ち枯れがこれ以上広がらない努力はされているようだ。



私は大台ヶ原って大昔から今みたいな風景かと思っていたのだが、実際は、そうなったきっかけは意外と最近で伊勢湾台風らしい。台風で樹林の一部が倒れて、それが引き金でみるみる立ち枯れが広がったらしい。

ということは、日本百名山は、つまり裸山になる前の大台ヶ原に対して選定されたのであった。裸山になってから?有名になるとはねえ。

植生保護のため、ここまでの道はすべて舗装か、立派な木道が組まれている。ここで「お遍路では、橋の上で杖をついてはいけないルール」の話が出る。地元のクイズなのでたまたま知っていたが、木橋にせよ石橋にせよ、杖をついたら傷むけど、そのまま注意しても掻き捨てる恥しか持ち合わせていない旅人は聞かないので「橋の下には宿を断られた弘法さんが休んでいる」と言って信心に訴えたのだ。あるいは私が木橋の上でストック使っているのを暗に注意しようとしてくれたのかもしれないが、私はもとよりそんなことは承知なので、本日は終日ゴムのキャップをはめている、とストックひっくり返してみたら、キャップに穴が開いていて石突が覗いていた(汗)。さすがに手応えなり音なりでわかるはずなので、直接突いたことはなかっただろうが、これは不覚。

とりあえず木道の上で使うのやめようと思った時は既に遅く、木道はそのあたりでおしまい。正木峠以降は生きている木が混ざりはじめて、道も石ゴロゴロの山道に変わった。

正木が原
正木が原に入る
正木が原
正木が原の立ち枯れ
正木が原
正木が原の倒木

正木が原
幹が朽ちてなお立っている
正木が原
正木が原から正木峰

第3区: →大蛇嵓

正木が原からおよそ10分で尾鷲辻に到着。ここから尾鷲方面の下山路と駐車場へのショートカットルートが分岐するが、当然予定どおりのコースをとる。

東屋があったので昼食。本当はもう少し先の牛石ヶ原の方が開放的で昼食には好適とのことだが、ここで数組のグループがストーブを使っていた。なるほど周囲に草木のない東屋あたりがストーブには好適かもしれない、というか牛石ヶ原では使うの憚られるかもと思ったため、無理矢理ここでお昼を広げる。結果的に、牛石ヶ原でもストーブは普通に使われていた(汗)。ストーブでメンバーに即席みそしる提供。しかし混ぜたり具を拾ったりする道具を忘れる^^;

牛石

牛に見えんこともない

弁当をたたんで歩くこと15分、神武天皇の巨大な銅像(たぶん想像図)に迎えられて、牛石ヶ原に到着。牛石ってこれのことらしい。昔の人は何でも思いつくなあ。

ところでこの神武天皇像、どっちを向いているのか気になったが、どうも尾鷲の方を向いているようだ。少なくとも大和や九州は向いていない。尾鷲の方といえば、ムリにこじつければ上陸地点だが、まあ単純にハイキングコースに正対させようとしただけのような気もする。

大勢のハイカーが休憩する中を素通りすると、立ち枯れと笹は見納め。ここからは普通の山道に変わる。10分足らずで大蛇嵓分岐に到着。

台高山脈

台高山脈の絶壁だが…?

向かう途中で右手に絶壁(紅葉つき)を発見して感動して、木々越しにもかかわらず写真まで撮ったが、結果的にこれはほんの序の口にすぎなかった。戻り道で同じ場所を通った時には「ふーん」で終わってしまうのが、考えようによっては恐ろしい。

というわけで、いよいよ大蛇嵓に取り付く。岩を登った先には、対面の尾根まで何もない絶壁が広がっていた。日出ヶ岳への木道にある柵は、両脇の草木を守るためだったのかもしれないが、ここにある柵は、まさしく人間の命を守るための物である。

800m下には熊野川支流の東の川が、ちょうど晴れ間にかかって光っている。

紅葉は見頃過ぎと言われていたが、確かにコース沿いの葉っぱはほとんど散っている一方で、大蛇嵓から見る台高山脈中腹の紅葉は、最高の見頃。まさに錦に見立てるにふさわしい、赤と黄色の入り交じった自然の紅葉である。

大蛇嵓とりつき
岩によじ登ると…
台高山脈
さっきの絶壁が遮る物なし
大蛇嵓
先端までこわごわ下りる

大蛇嵓
足下には一面の紅葉
北山川
日差しを映す東の川
大蛇嵓
紅葉の向こうには大峰山

ところで『嵓』とは何か? 帰ってから調べたら『岩』の異体字らしい。なるほど言われてみれば。というか『岩』の方が後にできたらしい。

以下単に想像だが

「山の上にある石」ということで『嵒』という文字ができて、

「山は上部にもってくる」というトレンド!?のせいで『嵓』になって、

いつの間にか『品』が石を表すことが忘れられて「なんで品物なの!?」ということで会意文字化して『岩』になったのではないかと。

その結果「山に石が埋まっている」みたいな形になってしまったが、まあ「山のような石」と読むことで、別に山の上にかどうかは無関係な「デカい石」の意味として生まれ変わった、のかどうかは責任が持てないので注意いただきたい(笑)。

あと、どうして『ぐら』と読むのかがまだわからない。地図を見たら周辺にも「○○ぐら」なるポイントがいくつかあるので、現地語なのかもしれない。もっとも歩いている時は「『ぐら』といったら股ぐらぐらいしか思いつかん。でも蛇の股ぐらっていまいちイメージしにくい」とかアホらしい会話をしていたような気がする。

ちなみに案内板の英語はDaijagura RockではなくDaijagura Cliffである。この場合、英語の方が実用的のようだ。

大蛇嵓分岐

鹿が出た

周回コースに戻ったところで、今までどこにいたのか鹿の群に遭遇。これがまた図太くて、ガン見しても「鹿がおるぞ」と騒いでも「熊が出た」の声にも一向に動じない(人騒がせなマネはやめてください)。たぶん我々が、柵からこっちに出て来られないか、出て来ようとしないことを知っているに違いない。

第4区: 西大台隣接コース→???

「ここからのアップダウンは急峻」との警告があったが、まあ一般向けの警告かと思ってどんどん進むと、下り道のワイルドさはともかくとして、どこまで下りるのか不安になってくる。既に駐車場の標高を大きく割り込んでいるため、近い将来に下りた分だけ登り返さないといけない。やっぱり最低限高低差つきのガイドブックは見ておくべきであろう。

シオカラ谷横断コース
ここからは原生林の趣
シオカラ谷
吊橋の下で休憩
シオカラ谷
150m下でこの水量

結局、150m下りてシオカラ谷を吊橋で渡る。かなりの水量のある谷ではあるが、よく考えたらここですら伊吹山より高いことに驚く。

プラス50mのつづら折れの石段を一気に登り返す。しばらく平坦路で歩きながら一息ついたあたりで、再び50mの石段が現れる。もしかしたらきっちり計算して作っているのかもしれない。

このあたりのスギゴケは、正直苔探勝路の苔よりも立派であった。

シオカラ谷横断コース
最後の登り石段
スギゴケ
スギゴケ
バス停裏の樹林
またいつか来よう

最後に、昔ながらの樹林を残している緩勾配の区間をゆっくり50m登れば、駐車場のバス停裏に到着。本日の道程は9.1kmなり。

距離高低図

本日の距離高低図


時間高低図

本日の時間高低図

さて帰りは寄り道して、温泉でひとっ風呂浴びて帰ることにする。近辺で、日が暮れてからもやっている温泉といえばスーパー銭湯っぽい施設しか見当たらないが、さて津風呂湖と大宇陀のどちらにするか? といっても名前以外の情報がないので選びようがない。結局「同じ道を(なるべく)通らない」というポリシーにより近い大宇陀に決定。

絶景と温泉で充電、というより私についてはガス抜き完了(笑)。当分の間は(遠出に対する)禁断症状が出ないものと期待したい。あと大宇陀温泉については、温泉自体には文句はなかったけど、よく考えたら大宇陀は曽爾高原の時のために取っておいた方がよかったかもしれない。津風呂湖は、大峰山の帰りに寄ることにしよう。いつになるか知らんけど。

2010/11/08 01:48 | カテゴリー:おさんぽ, ハイキング, 写真 | コメント(0)

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