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3276.8mm一発プリントを攻略する

連続印刷で長尺印刷を実現する方法は既に確立したので、あまり意味はないかもしれないが、WordやExcelでは実質的に一発で印刷する以外に手段が見当たらないので、先日紹介したリンクの記事を元に、PX-5600向けにフォローする。ついでに他のアプリケーションもフォローする。

結論から言えば、いずれも結果的にPX-5600のユーザ定義サイズの上限(長さ3276.8mm)を超える印刷はできていないので、もしそれ以上の印刷が必要な場合は、やっぱり「長尺モードで逐次印刷」する以外の手段が見当たらないのが現状。

ただし、うち以外の環境(プリンタも含めて)だと、用紙サイズの上限とか余白とか、このとおりになる保証がないことをお断りしておく。テスト環境は先日の実験時と同じ。

さて、今回の一連の実験はプレビューまでで良否がわかる(プリンタを動かす必要がない)ため、先日の実験と違って時間帯を選ばずできるのが強みだ。ただしプリンタはオンラインにしておかないとプレビュアが起動しないのは、今回の実験から見たら減点だ(^^;

なお、印刷設定でいう『ロール紙』と『ロール紙長尺モード』の違いが結局わからない。印刷設定の表現に従えば『ロール紙』設定でバナーシートを印刷するのは『長尺印刷』ではないと主張しているようにみえるが、一般には単に「いつもより長い用紙」が『長尺』とみなされているようだ。

一方で私は「連続で印刷すると前後をひっつけてくれる」のが、印刷設定でいう『長尺モード』だと思っていたが、先日の実験で『非長尺モード』でも(たぶん)ひっつくことが証明されたので、この推測もハズレだった。

そこで、先日の「A3ノビ長を連続印刷する」のと、今回の「完成サイズを一発で印刷する」試みとを区別するために、ここでは以後、前者を『逐次長尺(またはバナー)印刷』、後者を『単票長尺(バナー)印刷』と呼び分けることにする。当然、たぶん一般には通用しない言葉なので注意。というか、私の知らないところでちゃんとした用語が確立していたりして!?

Word2007で単票バナー印刷

ページサイズの上限が558.7mmだったので、3276.8mmに出そうとすると、1:6スケール以下で作成せざるを得ない。今回はわかりやすく、1:10スケールで作業する。解像度も10分の1になってしまうかもしれないが、通常の文書より10倍以上離れて見るなら問題ない、と思う。

ということで、Wordでページサイズを横327.68mm、縦21mmに設定する(目標がA4幅ロール紙の場合)。

この状態で設定できる最小の余白は、長尺方向3×2mm、直角方向3mmなので、実質的な印刷範囲は3216.8x180mm。まあ実用には堪えるか!?

これを10倍に拡大してプレビュー。まずは軽く成功。

Excel2007で単票バナー印刷

ページサイズは、プリンタドライバに登録されている用紙サイズのいずれかしか選べない。そこでまず、3276.8x210mmの『A4ロールMAX』をユーザ定義用紙として登録して、Excelから選ぶ。実戦では、3276.8mmではなくそれ以下の出力したい長さで定義することになるであろう。

文字の大きさを手入力で400ポイントとかにすると、Excelのプレビュー・プリンタドライバのプレビューとも、一応所期の結果は出てくる。実際にプリントできるかどうかは不明だが、Illustratorでダメだった時のことを考えれば、ドライバからのプレビューがOKということから期待できそうに思われる。

もしこれが本当に印刷できたら、Excelの普及率も勘案すると、3メートル程度の長尺印刷を単発で印刷することに限れば最強のアプリケーションと言えるかもしれない。

PowerPoint2007で単票バナー印刷

20.32×2.54cmの『バナー』があらかじめ登録されている(PowerPointはセンチ単位)。これを使って『用紙サイズに合わせて印刷』してくれ、という意図らしいが、ここではあえて限界に挑む。

まずはExcelの時と同様に、希望の長さの長尺紙を登録しておく。

ページサイズの上限が142.22cmなので、1:4スケールの81.92×5.25cmのスライドを作成する。んで印刷設定で400%に拡大してプレビュー(&印刷)。もっとも『用紙サイズに合わせて印刷』するなら、人間が計算しやすいスケールにする必要はない。

PhotoshopElement10で単票バナー印刷

とりあえず3276.8x210mm・300dpi・カラーの設定でページが作成しようとすると、警告が出て長辺を2540mmに修正される。180dpiにすれば作成可能。

で、印刷しようとすると「このサイズの画像は220dpi以下で印刷される」みたいな警告が出るが、元々180dpiなので余計なお世話だ。

試しに上記のサイズで設定できる最高の解像度を調べたら『232.543dpi』だった。まあ、用途を考えれば180dpiでも充分に許せる範囲であろう。

IllustratorCS4で単票バナー印刷

はじめから3276.8x210mmのRGB300dpi原稿が作成できるが、再三指摘しているように、印刷まで成功するとは限らない。

PSEでいいヒントをもらったのでいろいろ試す。

解像度を落とすとどうなる?

PSEのように、解像度を落とせば印刷できる可能性が高い。とりあえず3276.8mmx210mmのページを、ラスタライズ効果『標準(150dpi)』で作ってみた。

結果は見事プレビュー成功。

4分の1スケールで作って、400%拡大するとどうなる?

819.2mmx52.5mmのページを、ラスタライズ効果『高解像度(300dpi)』で作ってみた。

これを400%拡大(または「用紙サイズに合わせる」)してプレビューをかけると、こちらも成功。まあ実質75dpiだからねえ。

ただし、Illustratorの場合、印刷用紙選択や拡大率の指定は、アプリケーション側の印刷メニューで行った方がよい。プリンタドライバ側で設定しても、アプリケーションの印刷メニューのプレビュー画面には反映しないので注意。最終的には、ドライバのプレビューで確認できるけど。

旅の終わり

まだやり残している課題はあるかもしれないが、どう工夫しても『単票長尺印刷』に一定の長さ制限があることは確かそうなので、いわゆる『逐次印刷方式』で長尺印刷が実現できる以上、一発印刷にはそれほど思い入れが生じない。

というわけで、長尺印刷の探検は本記事をもってひとくぎり。私自身が長尺印刷をやる予定は当面ないけど、誰かの役に立てば幸いである。

申し上げるまでもないが、こちらの環境でできたことが、他の環境でできるとは限らないし、できなかった時の責任は負いかねる。印刷の前には、面倒でもドライバの『プレビュー』で、うまく印刷できそうかどうか確かめていただきたい。

2011/03/16 13:46 | カテゴリー:計算機とか | コメント(0)

エプソンニューフォトフォーラム

3月12日、マイドームおおさかで行われた第7回エプソンニューフォトフォーラム(大阪会場)が予定どおり開催され、私も(地下移動中に何かあった時に備えて)バイクの前照灯をバッグに入れてお邪魔した。

印刷する方よりも撮る方の勉強をしたいと思ったが、それ以上に得るものはあったように思う。


セミナーなどでいろいろ話を伺ったが、以下、私にとってインパクトが大きかったこと(つまり知らなかったこと)を挙げる。

写真家セミナー(岡嶋和幸先生)

セミナーの趣旨は『自分流の写真作成手順』であり、氏独自の視点による根拠を挙げて、わかりやすく説明していただいた。

その内容以上にインパクトがあったのが「ブランドに『アウトレット』はありえない」というご発言。

これだけ切り取ると、いわゆるアウトレットモールを否定していると取られかねないので補足すると「ブランドと期待している相手に『アウトレット』を渡すな」という意味だと思う。

つまり、仕事の信頼を得るためには、いかなる制作(製作)物も、手を離れる瞬間まで最善を尽くせということ。これは、写真家のみならず、何かをアウトプットすることで食い扶持をいただいているすべての人に言えることだと思う。

実際には時間的な制約もあろうが、私に関しては、それ以上につい気を抜いて後悔することが少なくない。いかんせん「最善を尽くす」などと漠然とした行動目標を具体化する能力が欠けているので、こういう端的な表現をいただいたのはありがたい。自分の仕事でもこれを念頭に置いて、もっといい仕事ができるようになりたいものである。

ちなみに、細かくツッこむと、いわゆる『訳あり品』を処分するために『Outlet Store』などと称する直販店を開設する例は国内外問わず確かに多いようだが、その本来の意味は単なる『直販店』である。氏や私を含む多くの日本人同士なら『アウトレット』という言葉で『訳あり品』というニュアンスが通じてしまうかもしれないが、海外でそのニュアンスを伝えようとしても通じるかどうか自信がない。もしかしたら『Outlet Store』の実態から連想してもらえるかもしれんけど。

『レンズ使いこなし術』ニコンイメージング

講師については、公式にアナウンスされていない。何か事情があるのかもしれないので、ここでもあえて伏せる。

こちらでぜひ覚えておきたいと思ったのは「流し撮りの時は、S優先オートだけでなく、絞りをF/8~11にする(になるようにISO感度を決める)」ということ。

もし常識ならムック本にも紹介されているはずだが、読み流していたかもしれない。

ちなみに、最初から流し撮りを試すつもりで出かけた米原駅のやつを見直したら、本命の500系はギリギリF/11だったものの、リハーサルの300系とかN700ではF/30とかF/40とか(笑)。誰だよこんな白っぽい新幹線作ったのは!?

もっともISO感度も定格最低の200だったので、フィルタでも使わない限り厳しかったのは確かだが、それよりシャッタースピードが、1/30secでは人間が走る場合の標準で、新幹線には遅すぎたらしい。

あと最近のいわゆる『広角接写』で失敗した件。講師の方は同じような状況で『10-24mmズーム(DXフォーマット)』を使われたとのこと。

…現状では、広角接写をカバーするために、それ買ってD80とD700の2台担いで出かけるのも、FXフォーマットの14-24mmとか14mm単焦点とか買うのも論外な以上、現実的な解としては、EXLIMも一緒に持って行くが正解であろう。コンデジにも立派な強みがあることを失念していた。

『用紙選びについて』エプソンセミナー/サードパーティ出展

予想どおり、展示されている作品は光沢紙が大半だったが、セミナーではマット系というか、ファインアート系を含めた活用法などのコメントを伺えたのが収穫だった。というより「マット系も使ってみてください」という意図だったかもしれない。

もとよりPX-5600が使える以上はマットブラックしか使わないつもりだったが、光沢系でもPICTRANバライタは、マットブラックも想定しているとのこと(Velvetの設定を使ってくださいだって)。

マットブラックのサンプルを持ってきてくれていたのに感じ入って、とりあえずA4のトライアルパック(5枚入り)を購入。もし他のメーカーの方も『マットブラックを使った光沢紙サンプル』を持ってきていただいていたら、見落として申しわけない。

ただし、メーカーサイトでは「フォトブラックを推奨します」とある。これ見ただけでは、ずっと見向きもしなかっただろうな。

あるいは、他の光沢系でも、公式にはアナウンスされてないだけで、実はマットブラックで結構見られるかもしれないし、あるいはメーカーの予想を超えた(笑)表現が可能になるかもしれない。とりあえずPX-G900の退役以来お蔵入っていた光沢紙とか、ちょっと試してみるかな。

「Photoshopで仕上げる」アドビシステムズ

講師については、同様にあえて伏せる。

『印刷時のカラーマネジメント』については、アプリ側で設定するのではなく、プリンタドライバでやってください、だって。

プリンタメーカー提供のICCプロファイルを使う限り、単に同じカラマネをアプリ側とドライバ側のどっちで実施するかという話で、どっちもロジック的に同じだと思っていたが、メーカーの人がそうおっしゃるのなら、何か違いがあるのかもしれない。今後気にするようにしたい。

もっとも、少々の色の出方の違い以前に、いい写真が撮れるかどうかが肝腎なのは間違いない。

PX-5Vについて

3plが2plになったのは気になるが、その程度の違いは、絵を作るまでの段階で容易にひっくり返ると考える。今のところ「2plでないといい作品ができない」と言えるようになる予定はない(笑)。

それ以外のアドバンテージについては、いずれもあったら便利だが、私としては、無くてもなんとかなると思う。まあ3年やそこらはPX-5600も元気だろうから、マットブラックのスキルを上げつつ次の世代を待つという思いは変わらない。

ところで、PX-5VがPX-5600をカバーしていない事がひとつだけあると思っていたが、逆にあっさり投げ飛ばされた(汗)。

他でもない、先日から探検を続けているロール紙のことで、PX-5600ではロール紙ホルダー用の切り込みが6箇所ぐらいあるのに対して、PX-5Vの背面写真を見る限り、そのような多数の切り込みは確認できず、これは「いよいよ公式仕様どおりA3ノビ幅のみ対応になったか!?」とちょっとほくそ笑んだ(失礼)ものである。

しかし展示物を見ると、左ホルダーは切り込みに差し込むのではなく、背面の桁の上を自由にスライドできる構造であり、真実はA3ノビ固定どころか任意の用紙幅に対応することが想像できる形をしていた。つまりPX-5600では厳しいかもしれないA3幅(手に入るかどうかは知らない)とかも難なくセットできる公算が大きいということ。

まあ、現物を見たおかげで恐ろしい誤報を出さずにすんだというだけでも、行った値打ちは充分にあったと思う!?

モニタとかスキャナとか

他にもセミナーは開講されたが、モニタ・スキャナにまで手を伸ばす(いろんな意味での)余裕はないので、あえて聞いていない。特筆するべき情報が得られなかったわけでは決してないことをお断りしておく。

というわけで、写真愛好家見習いとしては、先輩方の作品を見られて大いに勉強になった以上に、作品作りまでのプロセスに関しても、いろいろ知ることができた。また同じような機会があればうかがいたいものである。

2011/03/13 21:27 | カテゴリー:おさんぽ | コメント(0)

無制限長尺印刷@PX-5600

PX-5600での長尺印刷について、調査結果をまとめた。まずは下記の実験の結果に長さなどを書き込んで、ドキュメントスキャナで読み込んだ(こちらも長尺モード)ものを示す。

出力結果

『用紙節約モード』ON/OFFの差


『非長尺モード』の実験と『実戦モード』

テスト環境

OS
Windows 7 Professional(x64) SP1
使用アプリ
Adobe Illustrator CS4
ドライバ
PX-5600 Version 6.61

なお、各実験でロール紙の上下半分ずつを使っているのは、ユーザレベルで『ロール紙節約モード』をONにしたから(笑)。

また、今回はA4短辺幅のロール紙を使っているため、関係する数字がA4になっている。A3ノビのロール紙とかで追実験などされる場合は、数字を適宜読み替えること。

下準備

テストに先立ち、ユーザ定義用紙として、幅297mm高さ210mmの『A4ロール』と、幅198.5mm高さ210mmの『A5ロール』を作成しておく。

続いて、Illustratorで次の3つの文書を作る。

  1. 文書#1 : A4横(幅297mm、高さ210mm)で、隅から(10mm,10mm)を頂点にする、幅277mm高さ85mmの長方形。すなわちA4ロール紙を長手方向に等分した場合の各隅から(10mm,10mm)内側を頂点にした長方形
  2. 文書#2 : 文書#3の横幅だけ297mmにしたもの
  3. 文書#3 : A5縦(幅297mm、高さ210mm)で、文書1と同じ要領で描いた長方形(こちらは幅178.5mm高さ85mm)
文書その1
文書その2
文書その3(最後)

実際のテスト原稿ではニギヤカシで(!?)文字もつけているが、たぶん文字の有無で結果は変わらないと思う。どうでもいいけどフォントが『DC愛ラインW5』なのは、白抜きだとインクの消費が少ないと思ったから(笑)。

この状態では多分うまく印刷できない

なお、印刷にあたっては、プリンタの印刷設定で『ロール紙』系を選んだ場合、用紙が『A3ノビ』に強制的に切り替わることがある

このままいくと、Illustratorの印刷メニューで示されるとおり、A3ノビサイズの真ん中にレイアウトされて、イメージどおりの印刷ができなくなる可能性が高い。

ここはやはり、原稿と同じサイズになるように、先ほど作った『A4(A5)ロール』に選びなおすこと。定形サイズは選べなかった。

原稿と同じサイズの用紙にすれば、ほとんどピッタリの場所にレイアウトされるはずである(上下のフチがないことに注目)。ただ印刷設定で定義する用紙と、Illustratorで定義する原稿とで、どうもサイズが微妙に違うらしくて、微妙にオフセットがかかる。

オフセットが零にならないかもしれない

右図の環境では、原稿の方がわずかに大きいらしく、センタリングのためにマイナスのオフセットがかけられている。僅かな値だし、連続して印刷する全文書で同じ値なら理論上問題ないはずだが、不安な場合は、全部零に揃えてもよい。この場合、原稿はIllustratorのプレビュー画面上端、すなわち実際に印刷する際の後端に揃えられることになる。

余談となるが、単票紙への印刷の時は、プレビュー画面の上から印刷されるため、実際のプリンタからは上下逆さまになって出てくるが、ロール紙への印刷の場合、あくまでIllustratorのプレビュー画面ベースではあるが、画面下から、すなわち画面の向きどおりに出てくるらしい。念のため確認したが『180°回転』はチェックされていなかった。

あと気をつけるべき点として、A5Rの文書3では、用紙の向きに注意する必要がある。印刷設定の『ページ設定』で『横』を選んで、Illustratorのプレビューで画像が寝ていることを確認すること。

ただし、結論としては、連続印刷の途中で用紙サイズを変えない方がよいということになったので、たぶん今回限りの注意になるであろう^^;

A5Rでは『横』を設定するように
プリントイメージの向きが以前とと同じであること

実験1:『ロール紙長尺』のみ

印刷設定で『ロール紙 長尺モード』を選び、用紙は文書#1#2はあらかじめ定義した『A4ロール』、文書#3は『A5Rロール』を選ぶ。当然拡大縮小は指定しない。

『ロール紙節約』のチェックは外す
拡大縮小無効を確認

実際の印刷結果は、冒頭のJPEGを参照いただくとして、ここではドライバのプレビュー画面を示す。ウィンドウサイズを一定にできなかったので見苦しいかもしれないが、ご容赦いただきたい。


文書#1と#2の四角形の間が20mmだったことにいきなり驚く。これはつまり、両者の間に文書レベルで隙間がないことを意味する。

ということは、この設定で前後の端が連続する文書を印刷すると、ほとんど隙間のない、あるいは全く隙間のない長尺印刷ができるということかもしれない。この確認を実験4として実行することに決めた。

であれば、#2と#3の四角形の間は、計算上168.5mmとなるべきところ、どう測っても169mmだった。こちらは、本番では隙間が空いていたかもしれない。でも条件によってひっつく/ひっつかないが変わるとは考えにくいので、あるいはA5Rでオフセットを零にした時に、原稿が上端に揃って下端に隙間ができた、と推測する。

つまり、連続印刷で隙間なく印刷するには、最初から最後まで同じ原稿&用紙サイズ&オフセットで印刷する方がよいということであろう。

実験2:『ロール紙長尺』+『ロール紙節約』

実験1とは『ロール紙節約』をチェックする点のみ異なる。

『ロール紙節約』をチェックする

こちらでも、プレビュー画面を示す。プレビュー画面は、とりあえず左右方向の位置は実験1と同じように見えるが…、


この機能を使うと、たとえばWordとかでも1ページに巨大な文字を1文字ずつ書いて全ページ印刷すると、各ページの余白がうまく削られて、自然な長尺印刷が得られるものと、勝手に期待していたが大ハズレだった。

とりあえず、文書#1と#2の四角形の間が実験1よりも広がっていることに再度びっくり。『ロール紙節約』を選んでも、ある程度以上の余白が強制的に空けられるとしたら、残念ながら上記の方法では長尺印刷は難しいことになる。

他方、文書#2と#3の間が、実験1に較べて狭くなったことから、ある程度以上の余白については削ってくれることがわかった。このあたりには何らかの法則性があるような気もするが、実験1の方法でできるメドが立ってしまった以上、もはや追求する気は起こらない^^;

ただし、末尾がわずかに余った場合は、わざわざそれ用に短いユーザ定義用紙を用意するとオフセットがずれる恐れがあるので、これまでと同じサイズの用紙を使ったうえで『ロール紙節約』にチェックする、というのが、おそらくメーカーの想定する正しい使い方ではなかろうか、と思う。

あるいは『ロール紙節約』=「印刷後のフィードを抑える」とも予想したが、実験1の項で述べたように、印刷後はフィード自体しないため、まったくの的外れなのであった。

実験3:『ロール紙(単票)』のみ

ある意味、この結果に最も驚いた。このモードではてっきり「1ページ印刷するたびに、その下端が覗くまでいちいちフィードする」と予想していたのが『ロール紙長尺』と全く変わらなかったのである。それこそ最後のカットラインまでの長さに至るまで。

ドライバのプレビュー画面も、今度は上下も含めて実験1に完全に一致しているため、アップロードはしない。あしからず。

ってことは『ロール紙』と『ロール紙長尺』の違いって、2番目のチェックボックスが『ページ枠線印刷』になるか『ロール紙節約』になるかの違いしかない、のかもしれない。

実験4: 本当に長尺印刷はできるか!?

これを3回に分けて印刷する

実験1の設定で、本番を想定して、本当に途切れなく長尺印刷できるかどうかを確認する。

その手順は…

  1. ドライバの設定を『ロール紙長尺』にする
  2. 『ロール紙節約』のチェックを外す
  3. A4横に、今度は長方形を省いた文字を書く(ただし下半分に)
  4. 1回目印刷
  5. オブジェクトを、左に297mmずらす
  6. 2回目印刷(今回は、境界をわかりやすくするため色を変えた)
  7. オブジェクトを、左に297mmずらす
  8. 『ロール紙節約』のチェックを入れる
  9. 3回目印刷(2回目と同様、色を変えた)

で、見事に繋がって出てきた。これは使える!!

ポイントは、オブジェクトを、うまく用紙長分だけ移動するところ。スマートガイドを利用するのも手だが、移動コマンドで直接数値入力が最も確実であろう。

こちらも一応ドライバのプレビュー画面を示す。


まとめ

Illustratorで理論上無限長の長尺印刷を実現するには、

  • ロール紙幅×483mm(=A3ノビ長辺)のユーザー定義用紙を作る
  • Illustratorで、↑と同じサイズの原稿を作る
  • 遠慮なくはみ出したデータを作る
  • 『ロール紙長尺モード』で『↑で作成したユーザー定義用紙』に印刷→483mmずらす、を、終端に達するまで繰り返す
  • 終端の印刷に限り『ロール紙節約』のチェックをつけた方がよい

実験と異なり、原稿の長さがA3ノビなのは、やっぱり繰り返しの回数が少ない方が手順上有利だから。

あと、通常きちんと接合するとはいえ、やっぱり接合回数は少ないに越したことはない。ただし、あまり欲張って長くしすぎると、先日の例のように途中から白紙になるおそれもあるので、まあA3ノビサイズまでならメーカーも手厚くチェックしているだろう、という程度の根拠である。

他アプリケーションでは

PowerPointは、数値入力でオブジェクトを移動できるので、きっちり連続した原稿が作れる可能性が高い。ただし、絶対座標での入力しかないみたいなので、座標についてはこちらで計算してやる必要がありそうだ。あとは、予想もしない落とし穴でもない限りは、Illustratorと同様の長尺印刷はできるのでないかと思う。私はもはや試す気力がないので情報求む。

Photoshop系は…オブジェクトかレイヤを「きっちり1ページ分移動する」方法ってあったっけ? 私が知っている限り『情報』ウィンドウとにらめっこしながらドラッグで移動する方法しかなさそうだ。仮にピクセル単位で正確に1ページ分ずらせても、プリントしてみたら微妙に合わないかもしれない。まあ長尺なりに離れて見たら、まず判らんだろうけど。

2011/03/11 01:33 | カテゴリー:計算機とか | コメント(0)

PX-5600長尺モード ついに決着!?

やっとIllustratorCS4で長尺印刷が攻略できた。データ取り自体は2時間もあればできるが、いかんせん隣家に迷惑をかけずに私とプリンタの両方が動かせる時間帯が限られるのだ。

一言で言えば、

『ロール紙』『ロール紙長尺モード』問わず、2つあるチェックボックスのいずれもチェックしなければ、きっちり『ページサイズ』の長さ分だけ進めて次の印刷を待つ。

という、ある意味ごく当たり前のこと。

この場合、対応するアプリケーションでは、送り方向の原稿の余白が零になるか、零にすることができる。つまり、単に前ページの後端と次ページの頭端が連続的に繋がった文書さえ用意できれば、理論上はロール紙の長さの限り、途切れずに印刷を続けられることになる。

とりあえずIllustratorで試してみたところ、一見してわからないほど綺麗に繋がってくれたので思わず感動したが、おそらくはメーカーはまさにそのように作っておきながら、公式のマニュアルに踏み込んだ説明を書いていないせいであろう(笑)。

とはいえ、実は「『長尺モード』の『ロール紙節約』のチェックが鍵になるであろう」と勝手に予想していたため、ここまでたどり着くのにかなり手間がかかったものである。

『ロール紙節約』は、用紙の後端の余白が広い時に勝手に送り長を抑えてくれる機能であって、決して「余白を消す」機能ではない。条件によっては、チェックを入れると次の文書との空隙が逆に広がることもある。

いずれにせよ、次の文書の印字位置がこちらで制御できなくなるため、続きがある状況ではチェックしないことを強く薦める。逆に、長尺の後端に限れば、チェックしておいた方がよさそうだ。

そして、以上の方法は、文字をページ境界にまたがらせることのできるアプリケーションを使うことが前提となる。IllustratorとかPhotoshopとかPowerPointとか。Word/Excelも、見栄えとか手間とかを度外視すれば、まあ不可能ではないと思う。

しかし『ロール紙(非長尺モード)』の結果が長尺モードと同じだったのはびっくりした。実験結果については、まとめられたらアップするかもしれない。とりあえず私はIllustratorで確実に長尺印刷ができたら満足。といっても、長尺印刷するような機会は当面なかったりして(笑)。

2011/03/07 01:30 | カテゴリー:計算機とか | コメント(0)

L判写真をマット印刷する大作戦!!

最近体調が優れないことについて気づいたことがある。もしかして運動強度がない間に、身体が人並みに弱くなったのではないか? ということ^^; となれば、しばらくは意識してバイクで出歩くべきであろう。

ということで、床屋にバイクで出かける。他のバイクに置いていかれる(汗)。やっぱり練習しよ。

続いて、L判写真用のマット紙を探す。というのも『フォトマット紙/顔料専用』って、A4に印刷するぶんには特に気にならないくせに、L判に裁断すると、かなり薄く感じられるから。L判ということで、無意識に印画紙と較べてしまうのかもしれない。

といっても、件の紙は厚さ0.26mmで、私が持っている純正光沢紙では絹目0.27mmとほとんど違わず、にもかかわらず絹目には(物理的な)違和感を感じたことはない。『写真用紙エントリー』に至っては、持ち合わせがないから比較はできんけど、全く同じ紙厚らしい。あるいは光沢紙って、紙厚の割に「硬い」のだろうか?

そんなわけで、紙厚0.26~0.30mmのマット紙を探す、が、ほとんど無えや(汗)。つくづくマットで写真を印刷する酔狂ぶり、あるいは先覚者ぶり(笑)を思い知る。ファインアートならあるが、A3ノビのファインアートでL判を印刷したことのある人は、シャレとしてもおそらく誰もいないに違いない。

結局、ハーネミューレのフォトラグ300ミクロンのはがきサイズ(角丸缶入り)が、限定販売と称して売られていたのを購入。ファインアート系以外で条件を満たしていたのは、サンワサプライの『2番目に厚い両面つやなし用紙』の0.28mmしか見当たらなかった。が『スーパーファイン相当』。まあお手並み拝見ということで併せて購入。

そしてテスト印刷だが、予想を超えた事態がいくつか発生した。

さすがハーネミューレだけあって、たいていのプリンタに対応したICCプロファイルが用意されているのはいいとして、それと一緒に『設定方法』のPDFもZIPされている。それ見たら「メディア指定はVelvetにしろ」だって。Velvetを指定してくるかと感心したのもつかの間、給紙方法が『リア手差し』に強制切換した。

先日言及したとおり、リア手差しにはA4未満の用紙はセットできない。通常版だったら問題なかったのに、いちびってハガキサイズを買った(さらに言えば、作った)おかげで招いた事態である。

とにかくオートシートフィーダから給紙させる(紙厚的には問題ない)ために、メディア指定を元に戻す。というかそれに加えて『超高精細』で印刷するなら『フォトマット紙』しか選択肢がない。まあ色変換はPSE側でやっているので、ドライバのメディア指定は影響がない…と思いたい。

で、カラープロファイルをセットして印刷したら、最終局面で斜行発生(汗)。1枚パーになったことよりも、これまで徹底的にフチなし印刷を避けてきたのに、初めてプリンタ内部に印刷してしまったことに対してショック。「角が丸い」のとの関連は不明。とはいえ、後端までフチなし印刷できるはず(試してない)のプリンタが、異常な用紙とはいえ15mmも手前から印刷不能に陥るというのは考えにくい。今のところ、反った硬い用紙のため、ローラーが掴めず空回りした説が有力。ってことは、やっぱりA4だったら大丈夫だったのかもしれない。

いずれにしても、後端がまた乱れたらイヤなので、画像を極力頭端に寄せて対処。幸いに、L判でカットする使い方なら、長辺方向はかなり余裕がある。

印刷成功する限りは、まあマットとしては上出来かな。ただプラテンギャップは『広め』にしておいた方がいいかもしれない。

実は、最初の印刷でヘッドが紙面をこすったっぽいので、用紙の反り方向を変えるために裏返しで給紙したところ、普通紙よりもひどい結果が出た。ここでまず思ったことは「ヘッドクリーニングするか」であって、フォトラグにも裏表があることに気づくのにはちょっと時間がかかった。こないだ学習したはずなのにねえ。ちなみに、どっちが表か判らなくなったら、触ってみて滑らかなほうが印刷面である。

今回のケースでは、むしろ技術屋としての教訓を得た。ある条件でテストを通した場合、その派生品を出すにあたって条件のことを忘れて結果だけを根拠にして、派生品に対するテストを軽視してしまうことがままある。むしろオリジナル品でテストを徹底的にやった自負があるほど、この落とし穴にはハマりやすいのではないだろうか?

で、サンワサプライの方だが『超高精細』でも、わりと見られる結果になった。フォトラグの方が多少青味が強いかという程度。ただインクの多い部分がフォトラグに較べてつぶれるところが『スーパーファイン』レベルかもしれない。今回は雪景色でテストしたので、たとえば夜景などでは『高精細』に落とさないと見られなくなる可能性はある。

さすがにICCの提供はないので『Matte Paper Pigment』と『Super Fine Paper』の両方を試したところ、見比べてスーパーファインの方が多少黄色が濃いめに出るのがわかる程度で、どちらか1枚だけ見ても、私の目ではあまり不自然は感じない。よく見たら、スーパーファインの方が、その黄色の部分を濃くするためのインク滴が比較的目立つか。

なお『超高精細』を選ぶには、やっぱりメディアは『フォトマット紙』を選ぶ必要があることは言うまでもない。

そして驚くべきことに、サンワサプライの0.28mmの方が、フォトラグ300ミクロンよりも硬い。いやコットンだから柔らかいという話ですらなく、持った感じからして明らかにフォトラグは薄い。

怪しいと思って調べたら、秤量ベースではフォトラグは188g/sqmで『フォトマット紙/顔料専用』の189g/sqmとほとんど変わらないことが判明。そもそもフォトマット紙よりもしっかりした紙を探しているのであるから、コレではほとんど意味がない。紙厚については、責任ある第三者機関で、共通の測定方法で測ってもらう方が絶対いいと思う。

ということで、フォトラグは「写真用マット紙の代替」ではなく、あくまでも適度にテクスチャのついた「インクジェット用ファインアート紙」として活用することになりそうだが…となるとハガキ大は使い勝手がいまいちかも(汗)。

他方、そのフォトマット紙/顔料専用についても怪しいところがある。パッケージには0.26mmとあって、私もそう思い込んでいたのに対して、それ以外の情報源では、店頭のカタログも、Webの製品情報でも0.25mmになっている。なるほど0.25mmなら、絹目よりも薄く感じられても不思議ではない、かもしれない。

…って納得しとる場合ではない。どっちが本当なの!? どっちも正しいとすれば「ユーザが実戦で使う頃には、湿気を吸って0.26mmに膨れるところまで計算した」と推測せざるを得ない。パーシモンのドライバーとちゃうゆうねん(笑)。

あるいは、パッケージングされた時点で1枚単位の測定を諦めたとしたら!?? 全体の厚さを測って50で割るであろうから、そこに空気あるいはクリーニング用紙の厚さも紛れ込めば、2枚分ぐらい余分に分厚く測れるのは納得できる話である(オイ)。

2011/02/27 12:13 | カテゴリー:計算機とか | コメント(0)

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