レーベル印刷 with Illustrator
検索エンジンではまだまだ主力用語な(?)『CDレーベル印刷』だが、DVDRやらBDRやらと較べたら印刷する機会がめっきり減ったので、個人的にはあまり言いたくない。
正確を期するなら『CD/DVD/BDレーベル』などとするべきだろうが、BDの次とかその次とかが出てきたらさらに煩雑になるのではないかと、鬼が笑いそうな心配をしている。
まあたいていの状況では『レーベル印刷』で問題ないだろうと思っているが、国内で『レーベル』といえば、元々『レコード盤の真ん中に貼られていた紙』を意味していたらしいので、誤解されうる状況ではそれなりの配慮が必要かと思われる。
では『ディスクレーベル』はどうかというと、国内での完成度(笑)は上がるけど、英語圏だとディスクはレコード盤の意味も含むので無意味である。
そして国内では『レーベル』と『ラベル』は別物扱いだが、英語圏だと一緒どころか、labelを不用意に『ラベル』と読んだら通じない。どちらも発音は『レーベル』に近い、というネタは、もしかしたらテストで1点儲かるかもしれないので覚えておくべきであろう。
…とんでもない前フリだが、さてIllustratorでいわゆるレーベル印刷をする方法について、方法と現状の課題をまとめておく。
PM-950Cの時代から、メーカー提供のレーベル印刷アプリ(名前失念)を使わずにきていたのは、当時のバージョンが印刷領域の内径を任意に調整できなかったことにある。このためワイドエリアでは、内側がチクワの断面のようになっていた。今のバージョン(Multi-PhotoQuicker)では改善されているようなので、とりあえず使用を見送る理由はなくなっている。
- テンプレート作成方法
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- A4縦のページを新規作成
- ページ左上に、印字領域外径(たとえば118Φ)と、その中心を貫く十文字を細線で描く
- いらないディスクにテストプリントしてひたすら位置調整
- 満足できる位置が確定したら、全オブジェクトを白色にしてレイヤをロック(とにかく中心にスマートガイドできればよい)
- レイヤを作る(この段階では何もしない)
- もう1枚レイヤを作って、ページぴったりの白色矩形(枠線無色)を描く
- ↑で確定した中心で、印字領域外径と内径(たとえば118Φ/22φ)の白色円を描く
- 3つのオブジェクトを複合パス化(これで印字領域以外がマスクできる)、不用意に移動しないようにロック
- ページ外に日付でも書いておけば、バージョン管理できる
- テンプレートとして保存
- データ作成方法
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- 必要なら、最上位レイヤのマスクを不可視にする(ただし印刷時には忘れずに戻すこと)
- 真ん中のレイヤを選択して、納得いくまでレーベルデータ作成
- 印刷は『定形紙(手差し)』を選択(EPSONプリンタの場合)
- なぜか位置がずれる場合は、とりあえず『プリント』メニュー『一般』タブの『配置』の調整で対処
- 恒常的にずれる場合は、テンプレートを修正(日付も更新すること)
- テンプレートメンテ方法
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- 別のディスクを使うなどで印字可能領域を変えたい場合は、最上位(マスク)レイヤを複製
- それまでの印字領域は、また使うかもしれないので、削除せずに不可視にしておく
- 複製したレイヤをアンロック
- 複合パス解除
- 外径/内径あるいは両方を、適当なサイズで作り直し
- 再度複合パス化→ロック
- 利点
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- 当然ながら、ベクトルグラフィックが使える(使う機会はあまりないけど)
- テキストの文字間/行間/長短形の調整が自在
- シリーズものの場合、過去話数のオブジェクトをページ外に逃がすことで、ファイルを1個にまとめつつ、いつでも過去話数を再印刷できる
- 欠点と課題
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- テンプレートを完成させるまでがめんどい
- 有料(すくなくとも、レーベル印刷だけのために買うソフトでは絶対にない)
- もしかしたら、レーベル印刷位置を常に確実に合わせることは、Multi-PhotoQuicker以外には不可能かもしれない
欠点1は、手間かけるのが楽しい人種にとってはなんでもない。欠点2は、既に持っていれば問題ない。問題は最後の項目で、とりあえずPX-G900では、印字領域の径を変えたら印刷がずれるような印象があった。
物理的な印刷位置のセットが
- ディスクトレイ(のマーク)だけ見て行われている場合
- ディスクの印字可能領域(=白い部分)まで見て調整されている場合
- セットした位置情報が独自のフォーマットでPCに返送される場合
ずれるのは単に機構的な誤差にすぎず取り越し苦労なんだけど
Illustratorの印字可能領域の大きさによってずれ幅が一意に決まるのなら、マスクレイヤをその分ずらして対応することはできる。
現状ではMulti-PrintQuickerのみが受けられるはずなので、こうなったらちょっとお手上げ。あくまでMulti-PrintQuicker以外を使うなら、精度が要求される印刷では1枚以上の本番と全く同じディスクを、試し刷り用に消費することになるであろう。
困ったことに、どれが真実なのかはネットのどこにも見当たらない(それこそ機種によっても違うかもしれん)。わざわざ標準のソフト使わずに苦心している人はいないか、さもなくば、Illustrator使っているレベルの人にとっては常識なのかもしれない。
いずれにしても、PX-5600はローディングの精度も向上しているであろうから、使い込んではっきりさせたいものである。まずは5600用のテンプレートを作るか(←まだ印刷してない!!)。というか、5600設置して最初にやるのがレーベル印刷というのも我ながら人を食っているが、正直大判の写真なんてのは、コツとか癖とか体系とかを理解しないまま漫然と印刷できるものではないから、と言い訳しておく。やるとしたら次の週末かな。
ちなみに、G900のディスクトレイは明らかに使い回し不可。5600のトレイは、何やらラックっぽいものがついていて、なかなか期待したくなる形をしている。