キーストン、かしこい人に逃げられること
誠実な人なら、仮に相手を偽ったら、法規やらモラルやらいう以前に自分自身の罪としてそれを忘れない。すくなくとも、アンラッキーに出会った時に「バチが当たったのでは」という気がチラッとでもするものである。
逆に、利己的な理由で相手を偽って何とも思わない人なら、つきあう価値はない。信頼を高めるべき場面で相手を偽りにかかるような人は、一生まともな人間関係などできないに違いない。というか、ここは怒ってもいい場面だと思う。
もっとも、たとえば「生活費借りてサロンに行ったら逆ギレされた」なんてことを(用法の誤りも含めて)臆面もなく放送された日には、たぶん怒るのを通り越して感心すると思う。なぜなら、怒る前に赤の他人モードに切り替わるから。距離のある人間は怒れない。
力のある(最近だと特に経済力か)人間には、利己的な理由で相手を偽るような人間でも、というよりむしろ彼らこそ外面を水準以上に整えて寄っていく(と思う)ので、それに惑わされずにホンモノを見極める眼力が問われる。
そうでない人間には、計算高いニセモノは勝手に逃げてくれるので、そういう意味ではラクなのだ。もっとも、ホンモノの大半も近づいてくれんのが難点か(苦笑)。